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シルバーレイン(TW2)にて活動中・朱鷺村伊鳥とその弟分と隊長のブログ

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What I doing?
「If I can Re:start」第二話。
こちらも後に修正予定です。
作中の女性は「当時同じ結社の人間だった」以外に個人的な交流もなく、
あくまでリプレイを読んだ一読者に過ぎませんでしたので詳細は暈します。
どうか詮索は無用でお願いします。

What I doing?

 放りっぱなしの手紙を見るに、つきあいは長くはなかった。
けれども確かに、彼女のことを覚えていた。

 過去の依頼を調べていた。
抗体ゴースト。パフュームリリスの使う「パフューム」に抵抗する為の「絆への強い思い」。
それが実際に行われ、効果はどれほどのものだったのか。そんな事が知りたかった。

 山のような依頼報告書の中から乱雑に抜き出してきたそれは、しかし目的の物とは違っていた。
ナイトメアビースト。ナイトメアと戦っていたのは、抗体ゴーストの出現――カタストロフの日よりも前の事だ。
 けれどそれを伊鳥は、そのまま元に戻してしまう事は出来なかった。
その依頼に関わった者の中に、知っている名前を見つけたせいだ。
(……このひとは)
 確かに知っている。覚えている。そう、彼女は「社」の一員だった。


 それがどこにあったのか。いつもどうやってそこへ辿り着いていたのだったか。
人気のない、寂れた神社だった。学園へ連れてこられてまもなく、夏の終わりにその場所を見つけた。
神社の祀神には大きく分けて二つあり。そこは稲荷や水神のように、豊穣や恵みを齎す神への感謝の為の社ではなかった。
災いをなす荒らぶる神や祟り神、「鬼」と呼ばれるモノを祀りあげて祟りを鎮める為に時として生贄を捧げる、その為の社。
蔵のような場所には生贄の為に使われたのだろう、錆びて使い物にならない装飾された刀や槍のようなものがあったし。
使われなくなって久しい賽銭箱の裏には血痕のような染みが変色してこびりついていた。
 あああぁあァ、何て自分に似合いの場所だ。
そう思って、そこに入り浸っていた。名も良くわからないそこを、「鬼ノ社」とただ呼んだ。
そうして棲処を得て、鬼を自称していた彼は仲間を探す事にしたのだ。

『斬りたいだけの魔剣士に、魔に魅入られた魔弾術士、獣の本能で生きるクルースニクに牙道忍者、鮮血を求めて止まないヴァンパイア、呪いたい符術士に呪言士、人の律からさえ飛び出したシルフィード。さァ、まだまだいるンじゃねェのかい?』
『アンタは人か。それとも鬼か。人だというなら気をつけな。鬼に喰われちまわねェように。寂しがり屋の鬼に喰われて、てめぇも鬼にならねぇように。アンタが鬼ならいらっしゃい。ここは地獄の一丁目、鬼には心地の良い場所さ……』

 唄う様にそうして招きいれた。規律などない。
外で生きる為に人と語る為に人の皮を被らねばならない、真っ当なフリをしなければならない狂人が、狂ったままに振る舞える場所。
そんな場所だった。何をしていたと言えるわけでもない。
ただ戦場を欲し、廃墟へ躍り込んで「仲間」の事も「他人」の事も考えず自分のやりたいように戦った。
 来る者、去る者、再び訪れる者。その中に確かに、彼女はいたのだ。


 ただ名を知っている人間が関わっていた依頼があっただけならば、ただそれだけに終わっていただろう。
そのナイトメアビーストによって引き起こされた事件は、一つの意味での「試し」だった。
彼女はかつて社で身を委ねた妄執に似た執着を断ち切った。
それ以上に大切なものが出来てしまったから、もうそこにはいられないのだと言った。

『ずっとずっと、傍にいた。
 自分の全てだった。
 今までも、これからも、一番大切。
 でも。他にも大切な人たちが、出来てしまった。
 今はもう傍に居ない。』

 自分の知らない場所で、彼女はずっと前に、ずっと先へ進んでいた。


 爪が掌に食い込む感触は久しぶりだった。叩き付けた拳の熱さも。
こんなにも何かを心から欲したことそのものが、随分と久しぶりのことだ。
(……俺は、何をしているんだ)
 こんなところで。こんなところで、未だに。
彼女はこんなにも前に進んでいるのに。自分は変わらなければならないのに。
何一つあの日から変わらないままで、何をしているんだ。
 きっと、ようやく。心から欲した。
変わることを。前に進む事を。こんなにも本気で、心から。


 叫び声にすら出来ずに机に拳を叩きつけた、そのせいで積み上げられた報告書の山は揺れて崩れ、ばらばらと床に零れ落ちた。
噛み締めた奥歯が痛みを訴える頃、それに気づいて拾い集めようと屈んで。

 手にしたのは、一つの。
結社で起きた事件の報告書だ。
『《Re:START》上で逢おう』。
 表題として、それにはそう、書かれていた。

【What I doing?=私は何をしている?】
20120911

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・義兄弟ズの兄貴分の方
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シン=インデックス(b55425)
シンIC
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・義兄弟ズの弟分の方
・馬鹿わんこ
・無駄に育ってる

フェイト=ブラッドレイ(b47222)
フェイトIC
卒業生 19歳
貴種ヴァンパイア×ゾンビハンター
・吸血軍人
・猟犬部隊部隊長
・義兄弟ズとはなんか腐れ縁
・現在、英国陸軍士官学校に在籍中。
―――――――――――――― この作品は、株式会社トミーウォーカーのPBW『TW2:シルバーレイン』用のイラストとして、義兄弟ズ背後が作成を依頼したものです。  イラストの使用権は義兄弟ズ背後に、著作権は「京作」「寛斎タケル」両絵師様に、全ての権利は株式会社トミーウォーカーが所有します。
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